医療機器:
人工心臓弁
被告:製造業者
原告:患者
事故概要
被告:Bjork-Shiley 原告は、当該製品がベストであるという心臓外科医の推薦に基づいて、1981年に被告製造の人工心臓弁を装着した。この心臓弁は正常に機能し続けていたが、他社製の同種の人工弁の故障事故がしばしば発生したため、自分の人工弁も壊れるのではないかと不安に思うようになった。
原告側主張
被告(製造者)は連邦食品医薬品局(FDA)に295件の故障(弁の支柱の破損)が起こり178人が死亡したと報告しているが、医者や一般の人々に対してはこの事実を控えめに述べ、また、販売者には事故情報を秘密にするよう指導して、彼等の判断を誤らせた。
被告側抗弁
当初の訴訟は「詐欺」に関する訴訟であったが、被告は、本件は事実上アラバマ法が適用になるPL事件であると主張。その上で、当該製品は正常に作動しており、原告は製品の不具合による障害を負っていないので、賠償を請求することは出来ない筈であると主張。
判決の結論
被告勝訴。 本件は最初はアラバマ州の州裁判所に提起されたが、被告は本件を連邦地方裁判所へ移送することに成功。その後、争点がアラバマ法の適用をめぐる問題になったため、最終的にアラバマ州の最高裁判所まで争われて今回の判決になった。最高裁は、「原告の主張が何であれ、正常に機能している製品に関して賠償賠償を認めることは出来ない」と判示した。
裁判所
【裁判所】アラバマ州最高裁判所(裁判所番号1941153)
その他
【原告側主張】被告(製造者)は連邦食品医薬品局(FDA)に295件の故障(弁の支柱の破損)が起こり178人が死亡したと報告しているが、医者や一般の人々に対してはこの事実を控えめに述べ、また、販売者には事故情報を秘密にするよう指導して、彼等の判断を誤らせた。【被告側抗弁】当初の訴訟は「詐欺」に関する訴訟であったが、被告は、本件は事実上アラバマ法が適用になるPL事件であると主張。その上で、当該製品は正常に作動しており、原告は製品の不具合による障害を負っていないので、賠償を請求することは出来ない筈であると主張。
判決年:1995
国:アメリカ
掲載日
調査年
1996年
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