平成19年6月27日
医薬品・医療機器等安全性情報237号
人工心肺装置を構成する人工肺、血液ポンプ、血液回路等の医療機器
[使用上の注意] |
本医療機器を用いた体外循環回路の接続・使用に当たっては、学会のガイドライン等、最新の情報を参考とすること。
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<参考> |
日本心臓血管外科学会、日本胸部外科学会、日本人工臓器学会、日本体外循環技術医学会、日本医療器材工業会:人工心肺装置の標準的接続方法およびそれに応じた安全教育等に関するガイドライン |
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参考資料
人工心肺装置の標準的接続方法およびそれに応じた
安全教育等に関するガイドライン
平成18年度医薬品等適正使用推進事業として、日本心臓血管外科学会、日本胸部外科学会、日本人工臓器学会、日本体外循環技術医学会、日本医療器材工業会の協力を得て、「人工心肺装置の標準的接続方法およびそれに応じた安全教育等に関するガイドライン」がまとまりましたので紹介します。
参考として、初期教育に用いる人工心肺装置の標準的接続方法等(3種類の回路の接続図及び確認事項)を掲載します。
図1 |
接続例1: |
静脈血貯血槽を有する回路 |
図2 |
接続例2: |
動脈血貯血槽を有する回路 |
図3 |
接続例3: |
貯血槽を有さない回路 |
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なお、当該ガイドラインについては、厚生労働省ホームページに全文を掲載しています。
(http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/04/tp0427-10.html)
委員長 |
許 俊鋭 |
埼玉医科大学心臓血管外科 |
委員 |
四津 良平 |
慶應義塾大学心臓血管外科 |
同 |
冨澤 康子 |
東京女子医科大学心臓血管外科 |
同 |
林 裕樹 |
名古屋医療センター臨床工学室 |
同 |
寺井 大輔 |
テルモ株式会社 |
分担執筆 |
百瀬 直樹 |
自治医科大学大宮医療センター臨床工学部 |
同 |
又吉 徹 |
慶應義塾大学医用工学センター |
同 |
関口 敦 |
埼玉医科大学病院ME サービス部 |
同 |
吉田 謙 |
埼玉医科大学病院ME サービス部 |
同 |
津藤 保 |
泉工医科工業株式会社 |
協力 |
加藤木 利行 |
埼玉医科大学心臓血管外科 |
同 |
安達 秀雄 |
自治医科大学附属大宮医療センター心臓血管外科 |
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接続例1:静脈血貯血槽を有する回路
◎必須 ○推奨
脱血回路 |
◎ |
接続部では、脱血回路であることが判断できる手段を有すること。 |
◎ |
患者組織への十分な酸素供給を監視できる手段を有すること。 |
◎ |
補助脱血手段を用いて脱血を行う場合には、回路内圧を監視できる手段を有すること。 |
○ |
循環血液量の不足を迅速に補うための手段を有すること。 |
ポンプ回路 |
◎ |
ポンプ出口の回路内圧を監視できる手段を有すること。 |
送血回路 |
◎ |
接続部では、送血回路であることが判断できる手段を有すること。 |
◎ |
気泡や異物を除去できる手段を有すること。 |
◎ |
気泡や異物を除去できる部品と接続される気泡除去ラインには逆流を防止する手段を有すること。 |
◎ |
送血回路内圧を監視できる手段を有すること。 |
○ |
患者組織への十分な酸素供給を監視できる手段を有すること。 |
吸引回路 |
◎ |
接続部では、吸引回路であることが判断できる手段を有すること。 |
◎ |
ポンプを用いてベントを行う場合には、逆流を防止する手段を有すること。 |
ガスライン |
◎ |
清潔なチューブを使用すること。 |
◎ |
接続部ではガスラインであることが判断できる手段を有すること。 |
○ |
ガスラインには異物を除去できる手段を有すること。 |
付属回路
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(1)採血ライン |
◎ |
送血回路への逆流を防止する手段を有すること。 |
その他
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(1)注意事項 |
◎ |
陰圧吸引補助脱血を行う場合には、3学会合同陰圧吸引補助脱血体外循環検討委員会の勧告項目を備えること。 |
○ |
体外循環開始前に回路内の異物を除去できる手段を有すること。 |

接続例2:動脈血貯血槽を有する回路
◎必須 ○推奨
脱血回路 |
◎ |
接続部では、脱血回路であることが判断できる手段を有すること。 |
◎ |
患者組織への十分な酸素供給を監視できる手段を有すること。 |
◎ |
補助脱血手段を用いて脱血を行う場合には、回路内圧を監視できる手段を有すること。 |
○ |
循環血液量の不足を迅速に補うための手段を有すること。 |
送血回路 |
◎ |
接続部では、送血回路であることが判断できる手段を有すること。 |
◎ |
気泡や異物を除去できる手段を有すること。 |
◎ |
気泡や異物を除去できる部品と接続される気泡除去ラインには逆流を防止する手段を有すること。 |
◎ |
送血回路内圧を監視できる手段を有すること。 |
○ |
患者組織への十分な酸素供給を監視できる手段を有すること。 |
吸引回路 |
◎ |
接続部では、吸引回路であることが判断できる手段を有すること。 |
◎ |
ポンプを用いてベントを行う場合には、逆流を防止する手段を有すること。 |
ガスライン |
◎ |
清潔なチューブを使用すること。 |
◎ |
接続部ではガスラインであることが判断できる手段を有すること。 |
○ |
ガスラインには異物を除去できる手段を有すること。 |
付属回路
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(1)採血ライン |
◎ |
送血回路への逆流を防止する手段を有すること。 |
その他
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(1)注意事項 |
○ |
体外循環開始前に回路内の異物を除去できる手段を有すること。 |

接続例3:貯血槽を有さない回路
◎必須 ○推奨
脱血回路 |
◎ |
接続部では、脱血回路であることが判断できる手段を有すること。 |
◎ |
患者組織への十分な酸素供給を監視できる手段を有すること。 |
◎ |
補助脱血手段を用いて脱血を行う場合には、回路内圧を監視できる手段を有すること。 |
○ |
貯血槽を有さない回路の場合、気泡や異物を除去できる手段を有すること。 |
○ |
循環血液量の不足を迅速に補うための手段を有すること。 |
ポンプ回路 |
◎ |
ポンプ出口の回路内圧を監視できる手段を有すること。 |
送血回路 |
◎ |
接続部では、送血回路であることが判断できる手段を有すること。 |
○ |
患者組織への十分な酸素供給を監視できる手段を有すること。 |
ガスライン |
◎ |
清潔なチューブを使用すること。 |
◎ |
接続部ではガスラインであることが判断できる手段を有すること。 |
○ |
ガスラインには異物を除去できる手段を有すること。 |
付属回路
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(1)採血ライン |
◎ |
送血回路への逆流を防止する手段を有すること。 |
その他
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(1)注意事項 |
○ |
体外循環開始前に回路内の異物を除去できる手段を有すること。 |

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